プロフィール


やきものは面白いです。

ずっと昔から様々なものが作られ続けてきて、今もかわらず私たちの生活を支え美しさを感じさせてくれる。

初めはただの土、たくさんの工程を経て、最後は火に委ねる。

素朴でいて不思議です。僕も作りたくなる。

 

作るときはほとんどの場合、初めに形がうかびます。

その湧き出てきた一つのイメージに自分の生活を重ね、

いくつも試しやっと詰めた一つのものが決まる。

 

僕のイメージの原点は、時を経た印象深い器たちと、生まれ育った環境にあります。

古い物や器を手にし見ると腑に落ちます、それに独創的で新しくゾクゾクと感じます。

自然に馴染むと感じるのは人々がその地の素材を工夫し、時代に適し変化してきた考え抜かれた生活の道具だからだと思います。それはとても斬新にも映ります。

僕は陶産地の製陶所の家に生まれ育ちました。

学生の頃時々手伝うのは成形まで。決められたものを大量に作るのは当時とても苦痛でした。                      ただ、ずらっと整列した焼く前の器たちは単純に美しいと感じたのを覚えています。

今思えば、大量生産の型の仕事は他の手仕事とは違った視線を僕にくれました。ゆっくりではなく数を作るリズム、自由でダイナミックな手法は、制作するうえで常に自分の根底にあります。

ものの価値とはなんでしょう。経験から悩み揺らぎます。                ただ、いまは僕だけができることを考え、尽くしていきたいです。

さまざまな出会いに影響され、新たに生まれてくるものに期待しています。

いつか永く使いこまれた自分のうつわに出会えたらうれしいです。

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林 拓児

1977年
愛知県瀬戸市の製陶所の四代目として生まれる。

2002年
倉敷芸術科学大学 機能物質化学科 卒業

2004年
瀬戸窯業技術センターにて釉調合の基礎を学ぶ

2006年
愛知県立窯業高等技術専門校 修了
窯元で4年間賃挽きの傍ら制作をはじめる

2010年
瀬戸・上品野に築窯

2016年
岡山県に築窯・移住